土地売却時の税に関する問題

設問 Hさんは、今年所有して7年になる土地を売却しました。売却価格は3000万円、土地に関係する費用として、土地取得費2900万円、固定資産税10万円、仲介手数料20万円、印紙代5万円を支払いました。

その他の要素は考えないものとして、Hさんの今年の譲渡所得として正しいのは、次の内どれでしょうか。
①80万円
②75万円
③65万円

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 回答

個人が所有する土地や建物などの資産を売却することで生じる所得を譲渡所得と言います。

譲渡所得の対象となる資産は、土地や建物の他に、株式、借地権、船舶、機械器具、ゴルフ会員権、書画、骨董、宝石などが含まれます。

資産の譲渡による所得の中でも、家具、衣類など生活必需品の売却による所得は非課税として取り扱われます。また、棚卸資産や営利目的の継続的な取引は事業所得や雑所得となり、山林の伐採・譲渡は山林所得として取り扱われます。

譲渡所得は、譲渡資産の種類によって課税方法が異なります。
土地、建物、株式については、事業所得や給与所得などの所得とは区別する分離課税という課税方法が取られます。

一方それ以外の資産については、事業所得や給与所得などの所得と合計する総合課税という課税方法によります。

譲渡所得の計算方法は、基本的に収入金額から必要経費を差し引いて計算します。

必要経費には、取得費と譲渡費用が含まれます。取得費とは、資産の購入代金や購入手数料にその後の設備費と改良費を加えた合計金額をいいます。

また譲渡費用とは、資産を売る為に直接かかった費用をいいます。例えば、仲介手数料、登記に関する費用(登録免許税、印紙代など)、測量費用、立退料、建物の取壊費用などです。

具体的には、総合課税と分離課税とで計算方法が異なります。
総合課税の場合は、所有期間が5年を超える場合(長期)と5年以内の場合(短期)で以下のようになります。

長期・・・(譲渡価額―取得費―譲渡費用―50万円)÷2=譲渡所得
短期・・・ 譲渡価額―取得費―譲渡費用―50万円=譲渡所得

分離課税の場合は、売却した年の1月1日において所有期間が5年を超える資産の売却を長期、5年以内の場合を短期として区別し、税率がそれぞれ所得税15%(他に住民税5%)、所得税30%(他に住民税9%)と異なります。

計算方法は、長期・短期共に、譲渡価額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。

設問では、土地の売却ですので分離課税に該当し、売却価額から取得費と仲介手数料及び印紙代を差し引いて譲渡所得を計算します。

固定資産税は、その資産の維持管理のためにかかった費用であるために、譲渡費用には含まれないため、正解は②となります。

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