課税財産額の計算について

設問 Hさんは、今年母を亡くしました。母の財産は、土地、家、預貯金の合計3000万円と墓地300万円でした。

葬式代100万円として、その他の要素は考慮しない場合に、母の相続税の課税財産額として正しい金額は次の内どれでしょうか。

①3300万円
②3200万円
③2900万円

目次

 税理士による回答

私たちはいつか必ず家族の死に直面することになりますが、事前に相続する財産についてきちんと整理できている事は稀です。

多くの場合、相続が発生してから手続きを開始する事が多いのですが、まず初めに行わなくてはいけない事が、相続財産を漏れなく整理して全体像を把握することになります。

亡くなった方のことを被相続人と呼びますが、相続税は被相続人が所有していたほとんど全ての相続財産を課税の対象としています。

主な相続財産について見てみますと、以下のようになります。

① 居住用・事業用の宅地、田畑、山林、原野、牧場、雑種地などの土地

② 地上権、借地権などの土地の上に損ずる権利

③ 自用家屋、借家、工場、倉庫、門、塀、庭園設備などの家屋

④ 駐車場、広告塔などの構築物

⑤ 機械設備・器具備品・車両などの減価償却資産、商品・製品・仕掛品・原材料・農作物などの棚卸資産、受取手形・売掛金などの営業債権、牛馬、果樹、以上のような事業用、農業用財産

⑥ 現金、各種預貯金、株式、出資金、公社債、受益証券などの預貯金、有価証券

⑦ 家具、什器備品、宝石、貴金属、書画骨董、自動車などの家庭用財産

⑧ 以上の他に、立木、貸付金、未収金、配当金、ゴルフ会員権、特許権など

  •  また、反対に相続税が課税されない非課税財産というのもあります。

① 墓地・墓石や仏壇、仏具、仏像など日常礼拝をしているもの。

② 香典・花輪代・弔慰金(業務上の死亡は普通給与の3年分、それ以外は6ヶ月分)

③ 国・地方公共団体・特定の公益法人に寄付した財産

④ 生命保険金・死亡退職金の内の一定額

これらのものについては、財産の性質、社会政策的な観点から相続税を課税しない旨規定されています。

相続税を計算するに当たっては、相続財産と非課税財産をきちんと整理分類して、そこから債務及び葬式代を差し引いて計算していくこととなります。

設問では、土地・家・預貯金が相続財産、墓地が非課税財産となり、葬式費用は差し引いて計算します。
従って、正解は③となります。

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