遺産にかかる税金の計算

設問 Hさんは、相続発生の2年前に1000万円の贈与を父から受け、贈与税200万円を支払いました。

今回の相続財産8000万円に贈与財産1000万円を合計して算出した相続税が600万円であり、その他の要素を考慮しない場合に、納付すべき相続税は次の内どれになるでしょうか。

①0円
②400万円
③500万円
④600万円

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 税理士より回答です

財産分与時の課税計算の項で解説しました配偶者控除以外に5種類の控除がありますのでこれから順番に見ていくことにします。

まずは未成年者控除です。これは相続人に未成年者がいる場合には、その未成年者が20歳に達するまでの年数1年につき6万円が控除されます。算式で表すと次のようになります。

尚、相続開始時の年齢が1年未満の端数の場合は1年として計算します。

6万円-(20歳-相続開始時の年齢)=未成年者控除額

次は障害者控除です。これは相続人が一般障害者である場合には、その障害者が85歳になるまでの年数1年につき6万円が控除されます。算式で表すと次の通りです。

6万円×(85歳-相続開始時の年齢)=一般障害者控除額

また、相続人が特別障害者である場合には、その障害者が85歳になるまでの年数1年につき12万円が控除されます。算式で表すと次の通りです。

12万円×(85歳-相続開始時の年齢)=特別障害者控除額

3つ目は相次相続控除です。これは相次いで相続が起こった場合における相続人への負担を防ぐために設けられたもので、10年以内に2回以上の相続が続いた時は前回の相続にかかった相続税の一定割合が控除されます。

4つ目は外国税額控除です。これは相続により取得した財産が海外にある場合に、その国外財産について相続税に相当するものが課税されている場合には、二重課税を防止するために国内で相当する税額を相続税額から控除するというものです。

そして、5つ目が贈与税額控除です。これは贈与税と相続税の二重課税を防止する趣旨で設けられています。

相続税を計算する際に、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の対象として加算される事になりますが、既に贈与税を支払っている場合には、相続税から控除できるというものです。

設問では、3年前までに贈与を受けた贈与財産を加算して算出した相続税額600万円から既に納付済みの贈与税200万円を控除した400万円が納付すべき相続税となります。
従って、正解は②となります。

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